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E-モビリティ

最適化された車両ソフトウェアにより高効率を達成

Eモビリティには、効率化が最も重要です。車両開発では、最適化された電力管理とユーザーの快適性のバランスを取りながら、高価で重いバッテリーを可能な限り最良の状態で利用する必要があります。ソフトウェア面では、大量の測定データを扱うことになり、OEMやサプライヤは、これらのデータを収集し、視覚化して処理するための適切なツールを必要としています。

このイラストは、スタイル化された未来的な自動車が、人々や図に囲まれている様子を描いている。

従来の燃焼エンジンでは数本のシリンダーからの測定が必要なだけですが、電気自動車のバッテリーには200以上のセルがあり、それらを同時に分析・比較する必要があります。このことは、電気自動車へのシフトに伴い、測定、検証、適合システムに対する要求が高まることを示しています。重量やコストの制限がある中で、高い快適性と性能基準を満たすためには、バッテリー容量に限界があるため、高度なエネルギー管理システムが不可欠です。

電気自動車開発の新たな挑戦

ソフトウェアは電気自動車の中枢です。従来型自動車のレガシーシステムを扱うOEMメーカーやサプライヤは、しばしば次のような課題に直面します:

複雑なコンポーネントの管理

複雑な機能を持つ高度なコンポーネント(バッテリー、電気駆動)には、測定と可視化のための新たな機能が必要です。

エネルギー効率

熱・駆動・電気・充電システムにおけるエネルギー配分を最適化するソリューションへの必要性が高くなります。

コスト効率

電気自動車の販売機会と収益性は、航続距離を維持、または延長させながらバッテリーのコストを削減できるかにかかっています。

あらゆるドライブトレインに対応する柔軟なソリューション

バーチャルカーの前に立つ開発者のイラスト

ETASの車両エキスパートがお客様をサポートします

ETASのソリューションは、ハイブリッド、電気、水素のいずれの駆動でも、ソフトウェアとハードウェアの開発プロセスに高度な要件を持つ、最新のドライブトレインタイプのすべてに適応します。ETASは、適合・診断・検証のためのINCAツール、計測データの可視化・解析・文書化のためのETAS MDA(計測データアナライザ)、モデルベースのアプリケーションソフトウェア開発のためのASCET、簡易なレポート作成のためのETAS Analytics toolbox(EATB)など、総合的なパッケージを提供しています。

「バッテリーの性能を最大限に引き出すには、航続距離とバッテリー寿命の最適なバランスを見つけることが重要な課題となり、適合がカギとなります。当社のソリューションを活用すれば、この適合作業を大幅に効率化できます」
Klaus Grabmaier(クラウス・グラブマイヤー)、ETAS 測定 & 適合担当テクニカルアーキテクト

ETAS開発ツールの詳細

画像は、ETASのソフトウェアとハードウェアを使用して、エモビリティの新機能を設計する方法を説明するグラフィックです。

電気モーターの場合、発生するトルクは電流に直接追従するので、高速の制御機能が必要です。開発、プロトタイピング、機能検証の各工程において時間効率性がますます重要になっています。ETASは、これらの要求を満たす新機能設計のためのさまざまなソリューションを提供します:

ラピッドプロトタイピング

ラピッドプロトタイピングの手法は、サイクルタイムを200μsまで短縮できます。そのため、電動機器の制御サイクルを高速化するための理想的ソリューションと言えます。

ソフトウェアエンジニアリング

ASCETソフトウェアは、特にリアルタイム制約のある車両システム向けに設計されています。ASCETは、バッテリマネジメント向けのステート指向プログラミング、機能安全規格ISO 26262など重要な開発規格のサポートにより、AUTOSARソフトウェアコンポーネントの作成をサポートしており、あらゆるEモビリティのユースケースに対応する総合的なアプローチとなっています。

適合

INCA-MCE(測定・適合組込み/高速ECUアクセス)を使用した高速のダイレクトECUアクセスによって、高速測定・適合のための革新的なソリューションをご提供します。これにより、ECUテストベンチと適合ツールを直接接続できるため、従来のASAP3インターフェース使用時に比べて、適合サイクルを400倍高速化できます。この速度の優位性は、新しい動的適合手法の可能性を最大限に引き出し、適合時間を大幅に短縮します。同時に、限界値を超えた場合の高速応答により、HEVテストシステムの負荷が減少します。

新しい駆動系の開発は、要件が絶えず変化する流動的な環境で行われます。したがって、使い勝手の良い専用のソフトウェアを活用しながら、開発環境を容易に拡張強化できることがますます重要になります。HEVプロジェクトでは、分野の垣根を超えた学際的なコラボレーションが必要です。多くの場合、さまざまな開発工程で得られた結果などのデータ を、1 つのプラットフォームに統合してテストする必要があります。 そのため、対象とするすべての標準規格に対するオープン性は、基本的かつ重要な前提条件です。ETASのツールは、このオープン性を備えています。

車載ソフトウェア開発ツールの導入においては、常にシステム全体にわたるコンテキストが考慮されなければいけません。複雑なシステムを開発する場合、特定の要件に合わせて適切なツールを選定する必要があります。ETASでは、お客様の組み込みソフトウェア開発プロセスやツール環境の最適化を支援するため、お客様固有のソリューションの要件定義から実装や運用に至るまでの一貫したサポートサービス(AES:アプリケーションエンジニアリングサービス)を提供しています。ETASの開発ツールは、ハイブリッドドライブ、電気モーターのHiLテスト、バッテリマネジメント、ECUネットワークの各分野において確かな実績を積み重ねています。

画像はETAS測定ソリューション。ハイブリッド車や電気自動車の高電圧電気系統の電圧を効果的に測定する一方、測定ポイントの近くで電気的に絶縁することで高い安全性を確保している。

ETASの計測ソリューションは、ハイブリッド車や電気自動車の高電圧電気系統の電圧を効率的に計測するとともに、計測ポイント近傍の電気的絶縁により高い安全性を確保します。プローブとES411ES415ES441などの汎用モジュールを組み合わせることで、高電圧アプリケーションに適合し、車両での使用に適した柔軟な計測器を提供します。ETAS計測システムおよびINCAとのシームレスな統合により、電気駆動ECUの適合・検証時の電圧計測に効率的なソリューションを提供します。

用途

典型的な用途としては、トラクションバッテリ、トラクションバッテリの個々のセル、あるいは中間回路の電圧計測などに使用できます。例えば、電圧測定により、バッテリの充電状態や負荷がかかったときのバッテリの挙動 、高電圧車載電源内での振動、または高い安全性が重要な状況下でのバッテリの目標放電量などを、ECUとは無関係に判断できます。同期電流測定と組み合わせることで、車載電源のコンシューマの消費電力を測定できます。

計測・適合システムとの一体化

ES411モジュールには4つの計測チャンネルがあり、それぞれ最大100kHzの周期で計測できます。このES411は、接続されたプローブの種類を認識し、自動的に各チャンネルの計測範囲を適応させます。その計測範囲とプローブの特性は計測ソフトウェアへ送られ、正確な物理計測値が自動的に表示されます。

計測システムでは、複数のES411モジュールを相互に、あるいはES4xxシリーズの他の計測モジュールとリンクさせることができます。ES4xx計測モジュールINCAでサポートされています。XCP インタフェースを使用することで、ES4xx モジュールと絶縁型計測プローブを他社製計測ツールに統合することができます。ES4xx計測モジュールは、イーサネットを使用してホストPCに直接接続することができます。また、ECUおよびバスインターフェースモジュールES592ES593-DES595に接続することもできます。計測モジュールは互いに同期し、ES59xモジュールともµ秒精度で同期します。高電圧システムの電圧変化は、ECU内部計測および車両バス(FlexRay, CAN, LIN)の信号に同期してINCAで計測されます。

フレキシブルな構成

ケーブルのCBN400とCBN401には長さ1メートルの計測ラインが4本ずつあります。お客様のご要望に応じて、ETASではプローブ数(1~3個)やライン長の異なる特別仕様のケーブルも提供しています。

図は、電気自動車向けソフトウェア開発の複雑さを克服するために、ETASツールがどのようなサポートを提供しているかを示しています。

HEVの場合は特にシステム全体が複雑化の一途をたどっています。多くの機能がECUネットワーク全体に分散しているうえ、駆動系、伝送系、制動系の各コンポーネントを動作させる機能の数は増える一方です。競争上の優位に立つためには、このように複雑なシステムを自由に操ることがますます重要になってきます。ETASツールはこのようなニーズにお応えします。

INTECRIO

INTECRIOは、複数のソフトウェアコンポーネントを相互接続し、ハードウェアを使用しない仮想環境上で、機能全体の妥当性を確認できます。高性能のモジュール型ラピッドプロトタイピングシステムES900を使用すると、実センサやアクター、ECUネットワークを実験室や実車でテストできます。

ASCET

ASCETツールファミリは、モデルおよびステートベースのソフトウェア開発からシミュレーション、量産用コード自動生成に至る開発環境を提供します。既存コンポーネントの再利用、リアルタイム挙動の定義、ISO 26262等のオートモーティブ規格への対応を通じて、HEV開発者をサポートします。

RTA, RTE

RTAは、何百万ものアプリケーションで使用されています。AUTOSARランタイム環境に準拠し、HEV分野で求められる複雑なECUコーディングにおいても、ロバストな開発ソリューションを提供します。

INCA

INCAツールファミリは、統合型の測定・適合・診断ツールです。機能が複数のECUに分散することにより、適合作業も複雑になります。INCAファミリは、多彩な機能を備え、適合作業の複雑さに対処します。INCAを使用すれば、複数のECUに分散するさまざまな適合ラベルや車載バス通信データを1つの画面に表示して処理することが可能です。各種バスやプロトコルを使用するアクセスといった複数のECUに関する管理はINCAにより抽象化されるため、適合プロセスが合理化され、特にHEVの機能を扱う際は決定的なメリットが得られます。同じラベルを異なるECU上で同期させて測定・適合することも可能で、データのセキュリティを大幅に強化できます。

電動ドライブトレインの新機能は、迅速かつ確実に開発を進める必要があります。これはモーターやバッテリ、温度管理のクローズドループ制御といった個々のコンポーネントだけではなく、アイドリングStart-Stopや、電力回生と動力補助(ハイブリッドマネジメント)を伴う燃焼エンジンやモーター、ギアボックス等の従来の駆動系の制御機能の開発にも当てはまります。ETASでは実証済みのソリューションに加え、革新的な技術も数多く提供しています。

EHOOKS
EHOOKSは外部および内部バイパスを即時に実現するための技術で、これにより、ソフトウェアのソースコードを必要とすることなく既存のソフトウェアにフックポイントを柔軟かつ容易に挿入できます。

事前適合作業(プレキャリブレーション)
Simulink®-INCAカップリング(INCA-SIP)、またはシミュレーションPC用のオープンなXCPインターフェース(INCA-SCX)を使用することで、INCA を共通の実験および適合インターフェースツールとして使用し、それぞれのハードウェアが利用可能になる前に仮想モデル上で適合作業をすすめることができます。開発されたシミュレーションデータは、次の適合ステップで再利用することができます。

画像はスクリーンの前でe-モビリティのサイバーセキュリティに取り組むソフトウェア開発者。

E-モビリティにおけるサイバーセキュリティ

電気自動車への移行には、E/Eアーキテクチャーの変換と、とりわけ充電ステーションやOTAアップデートなどの新しい接続オプションが必要です。しかし、これらは同時に不正ソフトウェアやサイバー攻撃の新たな侵入口でもあり、自動車の新たなセキュリティコンセプトが必要となります。ETASは、このような新たな課題に対する柔軟な最先端ソリューションと、あらゆるユースケースに対応する個別アプローチのための専門チームを提供しています。

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